随分前の話
夫がＡ型肝炎で入院をした
息子がまだ幼稚園の頃だから
20年くらい前の話
病院嫌いな夫が
自分で近くの病院へ行き
すぐに入院になった
家からは
小道を数分歩くだけで行けたので
幼い息子が
新聞を届けに行った
病室は2階
階段を上がれば良いものを
エレベーターに乗ってしまった
小さな息子は
エレベーターのボタンが押せず
ドアは閉まり
中が暗くなった
どれくらいの時間だったのだろう
暗いエレベーターの中で
息子は新聞を握りしめ
泣いていた
はまぐりだったか
牡蠣だったか
貝類を食べすぎたせいだと本人は言っていた
2カ月ほどお酒が飲めなくなった
夫の禁酒生活の
最長記録はあの時の2カ月
お酒を辞めると・・・
パンが欲しくなる
トーストやフランスパン
随分とパンを食べていた
ビールで取れない
麦を欲するのか？？？
痛風で親指がパンパン
靴も履けずに
サンダル履きで通勤した事もあった
多分、飲まなかったのは数日だけ
ビール＆バーボンを焼酎に変えただけ
あっという間に飲酒再開
誰でも飲酒を続ければ
アルコール依存症になる---と
そんな言い方をする本等もある
大量飲酒といっても
あまり飲まない方は
大酒飲みのハンパない量を知らないのでは？
夫の30代の飲酒量
瓶ビール2～3本から始まり
バーボン（アルコール50％）をロックで
ボトルにほんの2～3㎝程度を残すだけ。
外へ飲みに出ない日は
それを毎日毎日
特別な日ではなく毎日毎日
20代の頃は
瓶ビールを１ケース（24本）飲んだそう
40代になりワインにハマり始め
最初はビールの後にボトルを２本程
ワインと言えど２本飲むと
日本酒の一升に近いものがある
買うのが忙しく重いので
３ℓの紙パック入りや
1.8ℓのペットボトルのワインを飲み始める
有れば有るほど飲むのが
依存症予備軍もしくは依存症者
どんだけ飲むの？って
さすがの私も思っていた
買うのは私なので
お金も手間も大変だった
缶チューハイ（ドライ系）を飲みだすと
これが又買うのも大変
ゴミも大量
北海道に戻った最初の年
雪道の運転が怖くって
ソリで酒屋通いをした
週に一度
缶チューハイを２箱
ソリに積み運ぶ
そんな生活を
続けた結果---
夫は依存症になった
親も兄弟も
まさか、日常的にだとは
思っていなかったらしい。
私は
そんな夫の酒豪ぶりに慣れ過ぎ
自分の飲酒量が適正に思えていた
そして
少しづつ、少しづつ
依存症への道を歩いていた
夫の依存症の始まり
ほろ酔いのご機嫌飲みが
出来なくなった
感情の揺れ幅が大きくなった
すぐにスイッチが入りキレだす
もともと酔うと斜視気味になっていたが
依存症になってからは
そんな可愛いものじゃなくなった
娘は気持ちが悪い、怖いと言っていた
怒鳴る
物を投げる
暴れる
私は昔から逆らわない派なので
私が口を返したから～ではない
頭の中で
何かがひとりで膨らみ
夫を動かすようだ
すまないとか
感謝しているとか
自分で自分がわからないとか
泣いてみたり
そんな夫との生活の
逃げ場が自分もお酒だった
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